大阪 梅田の占い師 在籍 占い師先生|海瑛が出会った不思議体験 第3話

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  • スピリチュアル編

2016.3.14 海瑛が出会った不思議体験 第3話
在籍 占い師先生

日本を代表する観光の町古都京都


そこには数知れない程のお寺がある。


その中で私海瑛は空海という高僧が時の天下人、嵯峨天皇より賜った


東寺というお寺が大好きだ。


その空海さんが亡くなられた月命日にあたる二十一日は、


東寺の大きな庭園いっぱいに、所狭しと色んな店が並んで人々が商いをしている。


空海さんが庶民の暮らしが少しでも良くなるようにと、


自分の寺を一般の人に解放したのが始まりで、


その思いは千年の時を超え、平成の今へと受けつながれている。


昔の海瑛はそんな人ごみが大好きで屋台のたこ焼きやお好み焼きを買い食いしたり、


安いネックレスや珍しい掘り出し物を買い漁っていたが、


自然と人の居ない庭を目的も無く、ぶらぶら散策するのが好きになっていった。


その中でも海瑛が楽しみに逢いに行くのが、


講堂という場所に威風堂々と置かれてある立体曼荼羅といわれている二十一体の仏像である。


その仏像とは、


大日如来を中心に


阿弥陀菩薩、


不動明王、


梵天、


金剛夜叉明王、


など、そしてその仏像たちを四方より守る、増長天、広目天、持国天、多聞天等々、国宝級のお宝の仏像がずらりと並んで、参拝者を出迎えそして圧倒する。


いつの頃からだろうか。


誰かに言うと絶対馬鹿にされるので、


海瑛は自分の世界でだけ、それらの仏像達を勝手に


「海瑛だけの二十一体の兄様達」


と呼ぶようになり、その兄様達と会話をするのが楽しみになっていた。


会話というのもおこがましいが、海瑛がその講堂に行き、


他の参拝者には聞こえないような小声で問いかけたり甘えると、


いつもの怖い顔が優しく視える。


愚痴を言ったり、自慢したりそんなお馬鹿な海瑛を兄様達はいつも優しく迎えてくれるのだった。


そんな気楽な気持ちで海瑛は一人遊びを楽しんだ。


そして海瑛と二十一体の兄様達の交流(?)は静かに人知れず長く続いた。


それからどれ程の月日が流れたのだろうか。


海瑛は花冷えのする四月の昼下がり、東寺にいた。


自分一人では背負い切れない悲しみを持て余して、


気がつけば電車を乗り継ぎ京都に来ていた。


その時の海瑛は無性に悲しく何かに押しつぶされそうだった。


だから自然と足が二十一体の兄様達の元に向かっていた。


砂利道を踏みしめ他の参拝者と一緒にゆっくりと講堂に向かった。


空は透きとおるように青く眩しく、一片の雲も浮かんでいない。


東寺は美しすぎて、自分が物凄くみすぼらしく思えた。


「帰ろうかな…。どうせいつもの一人芝居をするだけ…。」


海瑛が現実に向き合おうとしたそのとき、


急に、本当に急に、側にいた人達が海瑛の視線から消えて行った


正確にいえば、はけていったのだ。


もっと分かり易く言えば、海瑛の前に一本の道が出来て、


左右に霧のような靄のようなものが漂い、人々が視えなくなっていたのだ。


ひとりぼっちになり立ち尽くしていると、急に沢山の人の声が聞こえた。


何を言っているのかは解からないが、


とにかく大勢の人が必死で叫ぶような感じで話をしている。


そんな感じが海瑛のしらない所でしばらく続いた。


どれだけの刻が過ぎたのか解からない。


ひとり取り残されて雲の上にいるような、そんな感じが異様で嫌だった。


「何が起きたの?」


我慢できず、心の中で呟き目を上げたその刻、


瞬時に海瑛を包んでいた霧と靄が晴れて、いつもと変わらない美しい東寺が姿を現した。


遥か先には、五重の塔があり、その手前には私の兄様達の居る講堂があった。


「何これ………!」


急に目の前に現れた講堂の壁を視た瞬間、凍りついた。


けれど凍りついたが恐怖は無かった。


何と兄様達が居る講堂の壁に、


目が、無数の目だけがへばりつき、海瑛を凝視しながら話をしていたのだ。


しっかりと海瑛を視ているその目は壁いっぱいにあった。


二十一体の兄様達が海瑛を心配して壁の所に集まり海瑛に激を飛ばしてくれていたのだ。


いつもは物言わずただ立ちすくみ、海瑛を異空間へと導くのに、今日の兄様達は海瑛を心配するあまり壁に集まり海瑛を視てくれ応援してくれていた。


その無数の目は慈悲深く海瑛を視てくれていて、そして口々に


「海瑛負けるな、我々がついておるぞ。」


そう激を飛ばしてくれていた。


いや…、多分…、そんな気がした。


「やった!みんな心配してくれている!逢いたい!」


兄様達が駆け寄り私を慰めてくれる。


そんな気持ちが頭を駆け巡り、私は猛ダッシュで講堂の扉に手をかけ力いっぱいその扉を開けた。


私は信じていた。


「いつかこんな日が来る!」


「普通に話が出来る!」


しかし、そんな私を待っていたのは、いつもと変わらぬ静寂な講堂だった…。


物言わぬ二十一体の兄様達は定められたいつもの場所に立ち、


いつものように静かに厳かに私を出迎えるのだった…。


ただそれだけだった…。


当たり前の事だった…。


私は何を期待していたのだろうか…。


数分立ちつくし、兄様達に何も語る事無く講堂を後にした…。


私は夢を視ていたのか…。


幻を視ていたのか…。


起きても醒めない夢を視ていたのか…。


自分に問いかけたが答えは出なかった…。


何も考えられず、私はその場を後にした…。


しかし、東寺の駅に近づくに連れ、講堂の空に負けないくらい、私の心は澄みきっていた。


兄様達はどれ程の想いで待っていてくれたのか、心配してくれていたのか。


「………………」


言葉はいらなかった。


「海瑛が来たぞ。みんなで「気」を送ってやれ!元気にしてやれ!


 負けるな海瑛。俺達がついてるぞ!」


二十一体の兄様達の声が、私の頭の中で、美しく格調高く、語りかけるように、木魂し続けるのだった。


四月の桜の花びらが静かに風に誘われる、京都の春の出来事でした。


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